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Q&A 自営業者の休業損害についてよくあるご質問

自営業者の休業損害について、よくお問い合わせをいただくご質問を掲載しております。

  • 自営業者の休業損害はどうなるのか?
  • 収入全額を所得として休業損害を計算することは認められないのか? 収入から必要経費を引かなければいけないのか?
  • 事故前年よりも事故があった年の方が所得が下がっている。事故前年の所得と事故があった年の所得の差額を休業損害として主張することは認められないのか?
  • 自営業者の休業損害は事故前年の所得をベースとして計算するとのことだが、事故前年は、たまたま例年よりも売り上げが少なかった。事故前年の所得をベースにすると、休業損害額が実際よりも少なく計算されてしまう。どうすればいいのか?
  • 業績が右肩上がりで、今年は特に売り上げが良かった。そんな時に事故に遭い、数か月の休業を強いられた。事故に遭わなければ、かなり売り上げがあったはずである。それでも、所得が低かった事故前年をベースに休業損害を計算しなければいけないのか?
  • 実際に仕事ができなかったのに、休業日数について、相手方保険会社が認めてくれない。休業日数をどうやって証明するのか?
  • 実際には事業での所得は十分にあるが確定申告をしていない場合、あるいは過少申告をしている場合に、どうやって休業損害を計算するか?

自営業者の休業損害はどうなるのか?

 
事故前年の確定申告所得額をベースに計算します。
所得=収入-必要経費
1年間の収入額から(固定経費以外の)必要経費を引いた額が 年間所得になります。
年間所得を365で割れば、1日当たりの休業損害額が出ます。
1日当たりの休業損害額に休業日数をかければ、休業損害の 全額が出ます。

収入全額を所得として休業損害を計算することは認められないのか?
収入から必要経費を引かなければいけないのか?

 
収入全額を所得として休業損害を計算することは認められません。
休業した場合には、必要経費が発生しないからです。
したがって、収入から必要経費を引かなければいけません。
ただし、休業中であっても事業を存続させようとする場合には固定経費が発生しますので、固定経費は引かないで計算します。

事故前年よりも事故があった年の方が所得が下がっている。事故前年の所得と事故があった年の所得の差額を休業損害として主張することは認められないのか?
 


そういった方法で計算することはあまりないです。
自営業者の収入は、年度ごとに上下することが珍しくありません。
交通事故のせいで仕事ができずに所得が下がったのか、業績不振など交通事故とは無関係な事情により所得が下がったのか、判断が難しいからです。
 
 

自営業者の休業損害は事故前年の所得をベースとして計算するとのことだが、事故前年はたまたま例年よりも売り上げが少なかった。事故前年の所得をベースにすると、休業損害額が実際よりも少なく計算されてしまう。どうすればいいのか?
 

事故前年だけではなく、過去数年分の確定申告所得の平均を所得として休業損害を計算します。

業績が右肩上がりで、今年は特に売り上げが良かった。そんな時に事故に遭い、数か月の休業を強いられた。事故に遭わなければ、かなり売り上げがあったはずである。それでも、所得が低かった事故前年をベースに休業損害を計算しなければいけないのか?
 

月ごとの所得額を主張、立証することができるのであれば、例えば、交通事故前の3か月間の所得をベースにして計算することも可能です。

実際に仕事ができなかったのに、休業日数について、相手方保険会社が認めてくれない。休業日数をどうやって証明するのか?
 

 
サラリーマンは勤務先から休業損害証明書を出してもらえますが、自営業者の場合には、休業日数を証明するのは簡単ではありません。
被害者の主張が相手方からすんなりと認められることは多くありません。
休業日数を決める確定的な方法がないからです。
実務では、通院した日数をベースに修正を加えて休業日数を決めることがあります。
また、医療記録に記載された症状からみて仕事にどの程度の支障がでるのかをみて事故日から症状固定日までの日数の何割かを休業日数とすることもあります。
 

実際には事業での所得は十分にあるが確定申告をしていない場合、あるいは過少申告をしている場合に、どうやって休業損害を計算するか?

 
納税のときは収入がないと申告しておいて、損害賠償を求める段階で実は収入がありましたと主張するのは、ある意味、虫のいい話です。
そこで、裁判所からは厳しい目で見られることを覚悟しなければなりません。
「所得=収入-経費」ですので、収入と経費を証明する必要があります。
収入は、売上の入金額が記載された通帳があれば証明できます。
経費の証明は難しいですが、厚労省の統計などを使い業種ごとの経費率が分かる場合には収入に経費率を乗じることで経費の額を推定できる場合があります。
ただし、常にそのような統計が都合よく見つかるわけではありません。
他には、自営業者の家計の支出をみれば、どの程度の所得があったのかが推定できる場合もあります。
 

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