道路横断中に歩行者がはねられた場合の過失割合
横断歩道上では明らかに歩行者が優先
横断歩道では絶対的に歩行者が優先されます。
歩行者が横断している場合にはもちろん、横断しようとしている場合にも、自動車は減速、あるいは一時停止をするなどして、歩行者の横断を妨害しないように配慮しなければなりません。
したがって、横断歩道を渡る歩行者を自動車がはねてしまった場合、自動車の責任は重くなります。原則的に自動車の過失割合は100、歩行者の過失割合は0となります。
現実には横断歩道での歩行者優先は守られていない
もっとも、実際には、横断歩道で歩行者が待機していても、減速したり停止する自動車は少数です。むしろ、横断歩道の手前で歩行者が待機し、自動車の流れが途切れるのをじっと待つことが普通になっています。
しかし、本来は、自動車の方が停止して歩行者の横断を妨害しないようにすべきなのです。教習所でも習ったはずですが、残念ながら、多くのドライバーが忘れてしまっているようです。ひどい場合には、横断歩道を渡っている歩行者をクラクションで威嚇するようなドライバーもいます。問題外ですね。こういうドライバーは、教習所からやり直すべきでしょう。
なお、私が昔通っていた教習所では、仮免の路上テストの際、横断歩道で歩行者が待っているのに停止せずにそのまま走行した場合には一発アウトで即試験終了でした。
いまでも鮮烈に覚えています。
付近に交差点や横断歩道がない道路を横断した場合の過失割合
では、下記の図のように、付近に交差点も横断歩道もない場所を横断する場合についてはどうでしょう。
このようなケースでは、加害者側(ドライバー側)から、次のような主張がなされることがあります。
「本来、歩行者には横断歩道や歩道橋等を利用して横断することが期待されている。
したがって、横断歩道や歩道橋などを利用せずに道路を横断した歩行者の過失は大きい。」といった内容の主張です。しかし、この主張は誤りです。
横断歩道などを使わなかった場合でも、それだけで歩行者の方が責任が重いということにはなりません。そもそも、道路交通法でも、横断歩道や歩道橋を使わずに道路を横断すること自体は禁止されていません。また、自動車と比べると歩行者は明らかに交通弱者です。
したがって、横断歩道や歩道橋を使わずに横断した場合であっても、歩行者よりもドライバーの過失割合が大きくなります。
過失割合については、原則として、歩行者の過失割合が20、自動車のドライバーの過失割合が80です。
次の記事でもうすこし細かく見ていきます。
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