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主治医の診断は常に信用されるのか

1.加害者側保険会社は常に主治医の意見を尊重するわけではない

交通事故による後遺障害が残った場合に損害賠償を請求することができますが、後遺障害が残ったかどうかを判断するにあたって、主治医の診断書はどの程度信用されるのでしょうか。

主治医の診断内容について相手方保険会社や相手方の弁護士が争ってくることがあります。主治医の診断を全面的に否定し、後遺障害はないと言ってくることがあります。

例えば、主治医が「A」という病名を下していたとしても、「A」の症状は存在しないとか、「A」の症状は交通事故とは無関係だと争うことがあります。相手方の主張が通ってしまうと、後遺障害については一切賠償されなくなります。

また、「被害者の本当の症状は、主治医の診断とは別の症状であり、被害者の主張する後遺症よりも軽い後遺症が残っているに過ぎない」と反論してくることもあります。例えば、主治医が主治医が「A」という病名を下していたとしても、相手方は被害者の症状は重い「A」ではなくもっと症状の軽い「B」であるとして争ってくることがあります。そのような反論が通ってしまうと、損害賠償額は大幅に減額となります。

 

2.主治医の診断が覆る理由

被害者からすれば、「実際に自分で患者を診断をした主治医が下した判断なのだから、争うのはおかしい」と言いたくなるところです。もっともなことだと思います。実際、主治医の診断は、一定程度は尊重されます。しかし、どんな場合でも主治医の診断が信用されるというわけではありません。医師の診断が後からひっくり返ることはよくあります。

例えば、救急で運ばれてきた患者の場合には、その場でできる検査や診断をもとに、病名を付けることになるでしょうが、後から念入りに検査をした結果、病名が変わることがよくあります。

多くの病院ではMRI撮影ができないのでレントゲン画像を見て診断を下すことになりますが、レントゲンで映る情報は限られますから、後日、MRI等の検査した結果、診断名が変わることがよくあります。

また、むち打ちなどは患者に問診をして診断を下すことになりますが、患者の話に誤りや思い違い、不正確な点があれば、誤った診断が下ります。

3.医療診断の不確実性

もっと本質的な問題があります。医療診断」とは、もともと不確実なものです。実際の症状は教科書に書いてあるような典型的な症状とはかけ離れたものが多く、デリケートで難しい判断が必要になります。株価を予想するのに近いという人もいます。どんな名医であっても正しい診断ができるとは限らないのです。したがって、主治医の診断は常に正しいとは限りません。主治医の判断は一定程度尊重されるものの、どこまでも信用されるというものではないのです。

相手方保険会社も、主治医が下した診断名が理屈に合わない場合には当然争ってきますし、診断内容が不自然ではない場合でも、あれこれと理屈をつけて争ってくることが珍しくありません。

弁護士も、経験が少ないうちは、十分に検討せずに、主治医の診断をそのまま主張する傾向があります。しかし、徐々に経験を積むと、知識が増えてきます。医師の診断書をそのまま出して終わりとするのではなく、なぜそのような診断になるのかについて、検討しながら主張するようになっていきます。自分が理解できないところを主治医の助けを借りつつ、面談をして教えてもらったり、意見書などの作成をお願いして、補強していくようになります。

   ここから少し難しくなります。興味がある方だけお読みいただければと思います。

 

4.実例

中心性脊髄損傷

主治医が診断を下しているにもかかわらず、後遺障害認定の際にひっくり返ることが多い診断の具体例として、「中心性脊髄損傷」があります。「中心性脊髄損傷」では麻痺などが生じますから、後遺障害と認められれば、保険会社は多額の賠償金を支払わなければなりません。したがって、保険会社は激しく争ってきます。

仮に被害者が主治医から「中心性脊髄損傷」と診断されていたとしても、相手方保険会社は別の医師が作成した意見書を出して「中心性脊髄損傷」ではなく、「頚椎症性神経根症」にすぎないとして争ってくるのです。

そこで、「中心性脊髄損傷」と診断した主治医に再度問い合わせたりするわけですが、主治医が当初の判断を自ら変更したりすることがあります。そして、他の医師にセカンドオピニオンを求めると、主治医の「中心性脊髄損傷」との診断には否定的だったりするわけです。

そういった例では、丁寧に検討すると、脊髄の損傷箇所と、実際に被害者が訴えている症状が整合しまなかったり、事故から数か月の期間が経過してから痛みを訴えていたりするわけです。なぜ症状が遅れて出たのか、医学的な理由がはっきりしません。このような展開になると、いくら主治医が「中心性脊髄損傷」との診断している場合でも、最終的に、主張を一歩後退させざるをえなくなるのです。

外傷性てんかん

逆に、主治医の診断よりも重い後遺障害が認められることがあります。交通事故から2年経過してから、被害者はてんかん発作を起こすようになったという例で考えます。主治医は、交通事故とてんかん発作との因果関係について懐疑的だったとします。後遺障害認定の手続きでも後遺障害には該当しないと判断されていました。しかし、文献等に当たってみると、外傷性てんかんの典型的な症状であったりするわけです。外傷性ではないとすると、なぜてんかんが発生したのか、医学的な説明がつかないわけです。そういうケースでも、被害者に別の病院に行ってセカンドオピニオンを受けてもらうと、「交通事故が原因で発生したてんかんです」と言っていただけたりすることがあるのです。

5.最後に

このように、例え主治医の診断であっても覆ることがあります。そのため、損害賠償請求をするにあたっては、診断書に記載された診断名だけに頼るだけでは足りないのです。

正当な賠償を受けるためには、診断名をもらうだけではなく、治療に至るまでの自分の症状をしっかりと医師に伝え、カルテなどに、しっかり記録に残してもらうことが大切です。

 

示談交渉や訴訟になった場合の流れについては以下を参照ください。

 

 

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