骨折全般
骨折の種類
骨折の多くは癒合して元通りになりますので、多くの場合、後遺障害が残りません。骨の癒合とは折れた骨がくっつくことです。
骨が癒合したかどうかについては、画像で骨折線の有無をみて確認できます。
特に、3D-CTの画像ではPCの画面上でマウスを使って骨の画像を動かして、詳細に骨折線を確認できます。
真横に折れた場合には「横骨折」、斜めに折れた場合には「斜骨折」、ねじるように折れた場合には「らせん骨折」、いくつかの破片を生じるように折れた場合が「粉砕骨折」です。
粉砕骨折は欠損箇所を生じますので、単に折れた面がくっつければいいというわけではなく、欠損した部分の再生が必要となるため、治りにくいです。
横骨折も、らせん骨折や斜骨折と比べると、折れた部分の面積が小さくなるため、治るまで時間がかかります。
交通事故で骨折しやすい箇所について
主な骨折箇所は下記の図の通りです。
もちろん、事故の態様によっては他の箇所が骨折することもあります。
背骨がつぶれることがある・・・圧迫骨折
背骨を構成する椎体に骨折が生じた場合、じわじわと時間をかけて背骨が変形していくことがあります。
骨折直後のX線写真では異常が見られず見落とされる場合が多いです。痛みで寝返りを打てないなどの支障が起き、不安になってMRIを撮ってもらい、骨折が発覚することもあります。
MRIを撮影する時期が遅れると、骨折が発覚した場合でも、事故の前からあった骨折なのか、事故による骨折なのか、判断が難しくなり、加害者側からも争われます。背部の痛みが続くようであれば、できる限り早期にMRIを撮ることが重要になります。
圧迫骨折について、詳しくは下のリンクをご覧ください。
骨が癒合しなかった場合・・・偽関節
骨折がいつまでもくっつかずに、偽関節になることがあります。偽関節というのは、関節部分以外の箇所に異常な可動が残ることです。
固定が不十分な場合に骨折部に繊維や軟骨が入り込み骨の再生が妨げられます。また、骨が癒合しないうちに、骨折箇所を動かしてしまうことで、せっかく作られた仮骨が破壊されてしまいます。皮膚から骨が露出すると骨折箇所が汚染されてしまいます。このような場合も骨が癒合しづらくなります。
骨がいつまでも癒合しないと、偽関節ができてしまうのです。
偽関節について、詳しくは下のリンクをご覧ください。
関節部分が動かなくなる・・・可動域制限について
高齢者が骨折をした場合、リハビリが十分に行えず、関節部分が固くなってしまい動かなくなる場合があります。
また、高齢者に限らず、関節内まで損傷が及んでいるような場合にも、関節部が固くなり可動性が損なわれる場合があります。
このような場合、可動域制限が後遺障害と認められる場合があります。
詳しくは、下のリンクをご覧ください。
子供の骨折について
子供の場合、骨折をしても折れた骨が早期に癒合しやすく、変形も自然矯正されやすいです。
骨折しても、多くの場合には手術は不要で、骨折箇所を固定して治療する場合が多いと言えます。もっとも、骨が成長過程にあるために、骨を成長させる骨端部を損傷すると成長障害が残り、成長に従って徐々に骨の変形が生じてくる場合もあります。
示談に至る前に、主治医などに今後の見通しについて十分に教えてもらう必要があります。
成長障害が残る恐れがある場合には、早期の示談を避けるか、あるいは、将来成長障害が発生した場合についてどうするのかについても示談の中で触れておく必要があるでしょう。
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