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交通事故の訴訟

示談交渉よりも訴訟による解決が望ましい場合

交通事故の被害者が損害賠償を請求する場合、まずは、訴訟の前に、加害者側の保険会社との話し合い(示談交渉)からスタートします。示談交渉を飛ばしていきなり訴訟をするのは例外的です。

最初に、相手方と話をしたうえで歩み寄れるのかどうかを探り、話し合いによる解決が難しいと感じられる場合に訴訟等の手段を検討します。

もっとも、早い段階から訴訟を検討した方がいい場合があります。

過失の割合や後遺障害の有無、程度について激しい争いがある場合です。

このような場合、当然に、こちらが想定する請求額と相手方からの提示額に大きな開きが出ますので、歩み寄りは非常に難しくなります。

どうしても訴訟を避けようとするならば、こちら側が主張をあきらめるなどして、大幅に譲歩するしかありません。しかし、それは妥当ではありません。早めに訴訟に移行すべきでしょう。

具体的には、下記のような場合が考えられます。

過失割合に大きく影響する事実について言い分が異なる場合

自動車が動いていたか動いていなかったか、各自の車両にスピード超過があったのかどうか、減速や一時停止をしたのかしないのか・・・等々について、言い分が真っ向から違うと、和解は難しくなります。これらの事実は過失割合に大きく影響し、どちらの言い分が正しいのかによって、受けられる賠償額も変わってくるからです。

高次脳機能障害の場合

高次脳機能障害は3つの要件がそろわないと、後遺障害認定手続きで認めてもらえない場合が多いです。しかし、訴訟では、必ずしも3つの要件すべてがきっちり揃っていなくても、高次脳機能障害が認められることがあります。したがって、高次脳機能障害を主張する場合には、訴訟を起こすことを早い段階で検討せざるを得ません。

圧迫骨折(骨折による背骨の変形)の場合

被害者の脊椎に圧迫骨折がある場合、因果関係や後遺障害等級について激しく争われる場合が多いです。加害者側の保険会社は「そもそも被害者側の圧迫骨折は加齢によるもので事故とは無関係である。」といって因果関係を否定します。

また、後遺障害等級認定の手続で圧迫骨折が後遺障害と認められた場合、労働能力喪失は20%とされます。しかし、保険会社は、「圧迫骨折があっても実際には就労にはそれほどの支障は出ない」などと述べ、労働能力の喪失はない、あるいは労働能力の喪失があったとしても20%よりも少ないと主張してきます。

このような場合にも、速やかに訴訟をした方がいいでしょう。

裁判はどの程度大変なのか

かつては、訴訟を起こしても解決まで何年もかかる場合が多かったですが、現在では、1年以内に決着がつくことが多くなりました。

確かに、裁判を起こすと、交渉で解決する場合よりは時間がかかることは事実です。

ただ、お互いの言い分が激しく食い違うような場合には、むしろ冷静な第三者である裁判官による判断を仰ぐ方が、納得感が得られますし、いつまでもまとまらない示談交渉に固執するよりもむしろ早く解決することも多いのです。

また裁判になると、基本的には裁判所が間に入って主張や反論等のスケジュールを管理します。相手方からダラダラと交渉を引き延ばされたり、的を外した相手方の反論が続くような場合でも、訴訟を起こせば、長々付き合わずに済みます。

また、裁判については、基本的には弁護士が出廷しますので、依頼者が裁判所に出頭するケースはそれほど多くはありません。

 

裁判になった場合の基本的な流れ(スケジュール)

裁判は、提訴をすることで始まります。提訴は、裁判所に訴状やその他の添付書類を提出して行います。

提訴から約1か月(+α)経過すると、第1回目の期日(期日とは、裁判日のこと)になります。通常、第1回目の期日には被害者側の弁護士のみが出頭し、被害者は出頭しません。また、加害者側の弁護士も、答弁書という反論の書類を出してくるだけで、出廷しません。第1回目の期日では、裁判官が今後のスケジュールの確認などをして、数分で終了します。

第1回目の期日から約1か月(+α)後に、第2回目の期日があります。通常は、第2回目の期日の前に加害者側から、答弁書よりももう少し丁寧な反論が提出されます。準備書面という書類です。第2回目の期日では、加害者側の弁護士が出てきますが、加害者本人も、通常は裁判所には出頭しません。もちろん、被害者も出廷する必要はありません。

ところで、人身事故の場合、加害者側の弁護士が、依頼者の入院や通院先の病院からカルテ等の医療記録を取り寄せることを裁判所に依頼します。

被害者側の弁護士もカルテなどの医療記録を提訴の段階で提出しますが、加害者側も被害者側が提出したものとほぼ同じ医療記録を取り寄せるのです。加害者側の弁護士がなぜそんな無駄なことをするのかというと、被害者側が意図的に自分に不利な記録を裁判所に出さない可能性に備えるためです。

その後は、被害者側の弁護士と加害者側の弁護士が、お互いにFAXや郵送によって、自分の主張を補強したり、相手に反論するための文書を交互に送り合います。そういった書面は、お互い、相手方弁護士の事務所に送ります。被害者は、自分の弁護士からそういった書面の写しを受け取ったり、裁判の進捗状況についての報告を受けます。

第3回、第4回と期日が続いていきますが、裁判所では、反論などの予定を聞いてスケジュールを決めたり、証拠の原本の確認をするぐらいで、やはり数分程度で期日は終了します。期日には被害者側の弁護士と加害者側の弁護士が裁判所に出頭しますが、被害者本人や加害者本人は出頭しません。

ここまで読めば、おわかりなのではないしょうか。実際の弁護士同士の戦いは、裁判所で行われているわけではなく、主に郵送やファックスでの書面のやり取りによって行われているのです。なお、双方の弁護士が相手方の弁護士に出した書類は、裁判所にも提出されます。したがって、裁判官も双方から出た書類や証拠を見て、徐々に心証(=被害者の請求や主張がどの程度認められるのかについての印象)を固めていきます。

裁判の間、依頼者(被害者)は何をするのでしょうか。依頼者は、裁判の間、弁護士事務所に来て弁護士と打ち合わせをすることもあれば、電話や手紙、メール等で弁護士とやり取りをする場合もあります。

そして、加害者側の弁護士の主張や反論を見て、事実と違う点がないかどうかを弁護士に伝えたり、自分の弁護士が作った書類についても、目を通して意見を述べたりします。

依頼者(被害者)の裁判に対するスタンスも人それぞれです。何度もこまめに打ち合わせをして自分の希望や考えを強く自分の弁護士に伝えて積極的に参加するタイプの依頼者もいれば、事実のチェックをするなど最小限のかかわりをもつだけで後は弁護士に任せるタイプの依頼者もいます。そのあたりは、各人各様です。

 

裁判開始から半年程度経過すると、裁判官も事件に対する心証をだいぶ固めています。そのあたりのタイミングで、裁判官から、和解案が出されることが多いです。

被害者側、加害者側、双方の弁護士が裁判官からの和解案を持ち帰り、受け入れるかどうか、それぞれの依頼者の意向を確認します。8割程度(あるいはそれ以上)が和解で終わります。和解で終わる場合、最後まで、依頼者(被害者)が裁判所に出頭することはありません。

裁判官からの和解案は受諾すべきかどうか

裁判官からの和解案については、一般的には、受け入れた方がいい場合が多いでしょう。裁判を続けた場合に出されるであろう判決の内容をもっとも的確に予言した内容となっているからです。

しかし、以下のような場合は、和解案を蹴って裁判を継続することも検討します。

①和解案の内容が不当である

②和解案よりもさらに有利な判決が得られる可能性が十分にある

通常、和解案を出した裁判官が判決も担当しますから、裁判を継続したとしても、判決内容も和解案と大差のない内容となる場合が多いです。したがって、和解案が納得できないような場合には、上級の裁判所に判断を仰ぐ「控訴」も視野に入れることになります。

概ね満足できる内容の和解案が出た場合であっても、裁判の継続を希望する依頼者もいます。

裁判を継続して判決まで至れば、遅延損害金(損害賠償金につく利息のようなもの)や弁護士費用(損害賠償額の約1割程度)がまるまる乗って、和解金よりも受け取る額が多少増えることが多いからです(とはいっても、和解案でも遅延損害金や弁護士費用の一部を上乗せするケースが増えていますが)。

もっとも、和解案を蹴ることによって生じるリスクもあります。

和解案の内容が判決で不利な内容に変更されてしまう可能性はゼロではありません。また、裁判を継続すると、相手方もとことん争ってきます。第1審判決後が出た後に、加害者側の弁護士が上級の裁判所に「控訴」をして裁判が長期化することが考えられます。「控訴」をすると裁判官が変わるので、当初の和解案の内容がこちらにとって不利な内容に判決が出されてしまう可能性がさらに高くなります。

したがって、納得ができる和解案が出た場合には、「判決での多少の上乗せを期待して和解案を蹴ること」については慎重になった方がいいでしょう。

和解で終わらないケースはどうなるのか

なお、以上の流れはあくまでも通常のケースです。個々の裁判では、以上の通りに行かない場合もあります。

基本的に裁判は和解で終わるケースが多いと言いましたが、裁判所からの和解案が不当な場合は、裁判を続けることになります。例えば、「こちらの過失割合が思っていたよりもずっと大きいと判断された」、「認められる可能性が十分にある後遺障害が認められなかった」、「後遺障害が認められたものの仕事への支障があまりないと判断され少額の賠償しか認められなかった」などの場合には、裁判を継続して争うことも選択肢に入ります。

また、(数はそれほど多くないですが)加害者側の保険会社が和解案を受け入れない場合には、裁判は続きます。

もっとも、裁判を継続しても同じ裁判官の下では、和解の内容が判決で大きく変わる可能性は少ないです。和解案を出した裁判官が判決を出すからです。したがって、和解案を受諾しないのであれば、第1審だけではなく、さらに上級の裁判所に判断を仰ぐ「控訴」も視野に入れなければなりません。

証人尋問・・・依頼者が出頭しなければならない

裁判を続ける場合、通常は、証人尋問が行われます。

依頼者(被害者)も裁判所に出頭して、味方の弁護士からの質問(主尋問)に答えた後、相手方弁護士からの反対尋問を受けることになります。また、裁判官からも質問があります。

証人尋問の期日になって、ようやく世間一般で考えられている「裁判」に近いイメージのことが行われるわけです

証人尋問に先立ち、陳述書という被害者名義の書面を裁判所に提出します。被害者側の弁護士が被害者から改めて事情を聴きとった内容が陳述書に記載されます。

弁護士が、事故が起きた際の状況や、事故によって負った怪我の内容や程度、後遺障害が残った場合には障害の状態、仕事や仕事への支障等について事情を聴き取ります。その内容をベースにして、依頼者名義の陳述書が作成されます。

裁判所での証人尋問は、陳述書に記載された内容を基に行われます。

依頼者が裁判所に出頭しなければいけないのは、通常、この証人尋問の期日だけです。その後は、裁判終了まで依頼者が裁判所に出頭することはありません。

証人尋問後の流れ

証人尋問の後、双方の弁護士が最後に自分の言い分を総まとめした準備書面を裁判所に提出してダメ押しをすることが多いです。その後、判決の期日に裁判官により判決が言い渡されます。

判決期日は双方の弁護士のスケジュールを聞かずに裁判所が一方的に設定しますので、通常、判決期日に弁護士は裁判所に出頭しません。しかし、判決内容を早く知りたい場合は、裁判所に連絡をして確認することができます。また、判決の内容が記載された調書が裁判所から弁護士に送られてきます。

判決の内容は、和解案に近い内容であることが多いです。

そこで、被害者は判決内容を確認したうえで、弁護士と話し合い、「控訴」をするべきかどうかを検討します。

交通事故の示談交渉については以下のリンクを参照してください。

弁護士費用については以下のリンクを参照してください。

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