骨は折れた場合でもくっつきます(癒合)。多少ズレたまま癒合しても、時間をかけて元通りの形に戻る機能があります(リモデリング)。しかしズレが大きいような場合には、骨の変形が残ります(変形癒合)。
本記事では、変形癒合について述べます。変形癒合は後遺障害として認められる可能性があります。
皮膚や筋肉とはちがって骨には元通りになる機能がある
骨折は基本的には元通りになります。皮膚や筋肉の組織とは対照的です。
皮膚や筋肉の場合には損傷箇所は治癒をしても傷跡が残ります。それは、皮膚や筋肉の組織が元通りに再生することができず、瘢痕組織という組織が損傷部分をつないだりカバーするからです。
一方、骨の場合は折れた部分に新しい骨ができて再生します。
瘢痕組織のような別の組織ではなく、骨の組織そのものが再生されるのです。
骨のリモデリング機能
このように、骨には再生能力があるのです。
更にすごいのは、単に損傷した箇所を直すだけではないことです。骨はズレたままくっついてしまった場合でも、リモデリングという機能によって連続性を取り戻します。余分な部分が壊され、足りない部分に骨が作られるのです。
リモデリング機能の限界
もっとも、リモデリングも万能ではありません。折れた骨が正常でない形で癒合した場合を変形癒合と言います。「正常でない形」が軽度の場合にはリモデリングによる矯正が期待できますが、変形の程度が大きくなると、矯正は期待できません。
変形癒合は、きちんと整復されないまま固定されてしまったり、整復した状態を維持できなかった場合に生じます。特に、若い人に比べて高齢者の場合にはリモデリングの能力が落ちますので、変形癒合を生じやすいといえます。
変形癒合は後遺障害と認められる場合があります。
変形癒合の後遺障害等級
変形箇所によって異なります。
体幹骨の変形
12級 鎖骨、胸骨、鋤骨、骨盤骨、肩甲骨に変形を残すもの
脊椎の変形
6級 脊柱に著しい変形を残すもの
8級 脊柱に中程度の変形を残すもの
11級 脊柱に変形を残すもの
上肢(腕)、下肢(足)の変形
12級 長管骨に変形を残すもの
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