交通事故被害者の多くは、自分自身で加害者側の保険会社と交渉をし、示談をします。
保険会社が提示する賠償額が適切なのかについて、弁護士事務所や弁護士会、市役所などで弁護士に聞いてみるという被害者はそれなりにいますが、
それでも、弁護士に実際に依頼する被害者は少数です。
裁判まで起こす被害者は、さらに少ないです。
最近は、インターネット情報が普及し、弁護士を入れた方が賠償金額が上がることが知られるようになってきました。
また、パソコンやスマホで少し調べれば、弁護士に依頼した場合のコストがはっきりわかるようになってきました。
さらに、弁護士特約が普及し、弁護士費用を負担せずに弁護士に依頼できる環境も整ってきました。
費用をかけずに、弁護士に任せて賠償額を上げることができるようになってきたのです。
それでも、弁護士に依頼せずに示談をする人が多数派です。
弁護士を入れればより多くの賠償を受けられるのにそうしない人が多いのは一見、不合理に見えます。
しかし、これは実に自然なことなのです。
相手方保険会社の担当者とそれなりに良好な関係を築いてやり取りをしていたら、お世話になっているという気持ちが芽生えます。
そのような状況で弁護士を入れることは、相手方担当者との関係に波風を立てる行為のように思え、抵抗を感じることが多いでしょう。
また、嫌なことは早く解決してすっきりしたいという心理が働くのでしょう。
人というものは、たとえ、争うことで利益を得られるとしても、争うこと自体に強いストレスを感じるようにできているのです。
それでも、弁護士に依頼をして争うこと、あるいは交渉することを選ぶ被害者もいます。
弁護士に依頼するにいたる場合、きっかけがあるのです。
一つは、相手方保険会社に対する不信感や怒りを持った場合です。
相手方保険会社担当者による配慮に欠けた言動がきっかけとなり、「信用できない」「理不尽だ」という気持ちを持つのです。
法律相談の場で、相手方保険会社の担当者への怒りを表出する被害者の方が多くいらっしゃいます。
確かに、私たち弁護士が介入することで、相手方保険会社の提案額の数倍の賠償額で示談ができることが多いです。
ただ、それでも、相手方保険会社の担当者が言動に細心の注意を払っていれば、被害者は弁護士を入れることなくもっと少額の賠償額でも満足して示談していたかもしれません。
そのぐらい、人間というものは、利害ではなく、気持ちで動くものです。
二つ目は、親身になってくれる人が背中を押してくれた場合です。
交通事故のHPを作っている弁護士である私がいうのもなんですが、法律事務所のHPや広告をみて、「弁護士に任せた方が得なんだ。よし弁護士に任せよう。」という気持ちになる被害者は、それほど多くないと思います。
それよりもく、身近にいるご家族や友人など、親身になってくれる人が「すぐに示談しない方がいいよ。専門家に相談した方がいい。」と背中を押してくれて、初めて弁護士に依頼する気になる人の方が多いと思います。
ご家族やご友人の他には、ご自分が加入する保険会社の担当者が心配して、弁護士に相談した方がいいとアドバイスをしてくれる例もあります。
主治医から、「弁護士に相談した方がいい」とアドバイスをされた被害者もいました。
数は多くありませんが、相手方保険会社の良心的な担当者から、「弁護士に相談した方がいいと思いますよ。その方が、賠償額を多くお支払いできると思います。」とアドバイスされた被害者もいます。
弁護士事務所の営業用のHPや広告などではなく、身近にいる、親身になってくれる人から背中を押され、初めて、弁護士に任せようという気になるのです。
それが人というものなのですね。
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