1.玉突き事故と順次衝突
自動車が前を走る自動車にぶつかり、押し出された自動車は更に前の自動車に衝突する・・・いわゆる玉突き事故です。
少し似ていますが、順次追突というタイプの事故もあります。最初に先行する車両が衝突し、次に後続車が衝突するところが、玉突き事故との違いです。
玉突き事故と順次追突事故、どちらが起きたのかについては、車両の傷の位置や程度を見ればわかる場合があるとされています。
本記事は、バイクの事故をテーマとしていますので、自動車の玉突き事故については深くは触れません。
2.バイク事故でも衝突の順番が争われることがある
バイクの場合にも、玉突き事故と似たような事故形態があります。自動車の玉突き事故と順次追突の争いと同じように、衝突した順番が争われる場合があります。
下の図を見て下さい。
青い自動車と赤い自動車が2車線の道路で同じ方角に向かって並ぶように走行しています。青い車の右からスクーターが追い越しをしようとしました。しかし、青い車が右に寄ったため、スクーターは青い車接触して右に移動し、赤い車に衝突したのです。
ぶつかった順番としては、青い車→スクーター→赤い車となります。
しかし、青い車の運転者は、次のように弁解しました。「先に、赤い車がスクーターにぶつかったのだ。赤い車にぶつかったスクーターが左に移動し、青い車に当たったのだ。自分はまきこまれただけである。」
青い車側の弁解を打ち破ることはできるでしょうか。
3.傷の高さで衝突の順番が分かる
下の図を見てください。「青い車が最初にスクーターに接触し、右に移動したスクーターが赤い車に衝突した場合」の傷のつき方を見ます。青い車に接触した時点で、スクーターは傾いてなかったと考えられます。スクーターは青い車にぶつかって右に傾き、傾いた姿勢で赤い車にぶつかったはずです。
スクーターのハンドル部分の左末端が青い車にぶつかり、ハンドルの右末端が赤い車にぶつかったとします。青い車にぶつかったとき、スクーターは傾いていないので、ハンドル末端は比較的高い位置でぶつかります。
一方、赤い車にぶつかったとき、スクーターは傾いているので、ハンドル末端は傾いていないときと比較すると低い位置でぶつかります。
したがって、赤い車と青い車、それぞれの傷の高さを測れば、どちらの車に先にぶつかったのかがわかります。青い車の運転者の弁解が誤りであることを見抜くこともできるのです。
下記の記事もご参照ください。
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