そもそも、交通事故で使われるような医療知識の分野はかなり範囲が限られます。
人体の解剖学や生理学についての基本的な考え方、知識を頭に入れつつ、交通事故で出会う外傷や、外傷による症状と似た症状を引き起こす疾病を中心に勉強していけば足ります。
最重要は整形外科と脳神経系です。
循環器や消化器、呼吸器、内分泌系などの細かい知識もとりあえずは脇に置いておくことができます。
解剖学や生理学の基本的な知識もあったほうが望ましいでしょうが、基礎医学を学ぶ医学生のレベルまでは必要はないでしょう。
医学部生が当然のように勉強するような分子生物学がらみの高度な知識も、生化学の知識もほとんどの場合、必要ありません。
そう考えるとかなりターゲットを絞り込んで集中的に勉強することができます。
最初は脳神経系から勉強をスタートしました。
その後、整形外科。
そして、解剖学や生理学などの基本的な人体のしくみにさかのぼっていくという順番です。
医学について勉強するうちに、不思議なことが起こり始めました。
脊髄損傷について集中的に勉強し始めたら、脊髄損傷と診断された被害者の方が相談に来ました。
同じく、高次脳機能障害について勉強を始めると、同じく、高次脳機能障害と診断された被害者の方が相談に来たのです。
相談時に「よかった。具体的な話を聞けて安心できた。」と言ってもらえて、胸をなでおろしました。
相談時期がもう少し早ければ、不十分な回答しかできなかったはずです。
不思議なことがあるものです。
同期の弁護士が、外貌醜状(顔や手足などに外から見てわかる傷が残ること)の案件で新しい裁判例を作りました。
外貌醜状について、必死に勉強をし、考え抜いて事件に当たった成果です。
その裁判例は、交通事故に携わる実務家がマニュアルとして使う赤い本に載りました。
彼は、交通事故事件をそれほど受けているわけではないのに、現在、外貌醜状の事件を2件抱えています。
不思議です。
私は、「引き寄せの法則」といったスピリチュアルな力を信じているわけではありません。
しかし、勉強したことが直接、相談者、依頼者の方々の役になったことについて感銘を受けました。
これらの経験が、研鑽を重ねていくことに対して、強いモチベーションになったことは確かです。
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