人身事故事件では、ケガの状態をお聞きするために主治医と面談することがあります。
最初のうちは、面談時に医師にピントのずれた質問をして苦笑いされてしまいました。医師の話を理解できずに苦労をしました。
あまりにも初歩的なことから質問しなければならないことが多かったです。多忙な医師の時間を浪費させ、申し訳ない気持ちになりました。
幸いなことに、患者さん思いの医師が多く、初歩的な質問にも丁寧に教えていただきました。
今から考えると赤面ものでした。
医師にもいろいろな方がいます。
交通事故患者の治療に慣れている医師は、「今回のケガはたぶん12級じゃないかなあ。」とか、「14級に該当するかどうか、半々ってところだと思いますねえ。」などと言います(どちらもその通りの認定になりました)。
一方では、自賠責の後遺症認定のことについてはほとんどわからないという先生もいます。
そうした先生の場合には、弁護士が事前に知識を詰め込んでおくことで、依頼者の利益になる場合があります。
知識が増えるにしたがって、根拠のない万能感のようなものが芽生えてくることもあります。
しかし、多少勉強したところで、弁護士は医療の専門家でもなんでもありません。
医師と張り合おうとしたり、論破しようとするような態度はご法度です。
現実の症状は、書籍に書いてあるような、典型的でクリアなケースばかりではありません。
あくまでも医師の助けを得るためのきっかけを提供させてもらうという姿勢が必要です。
この点については、保険会社の顧問医・井上久医師の著作、医療審査「覚書」に詳しく書かれています。
主治医をはじめとする専門家との面談では、大きく覚えて小さく使うことが大切と考えています。
事前の知識は十分に仕入れておく(=大きく覚える)。
しかし、面談時に医師と張り合ったりしない。
交通事故実務や後遺症認定実務に長けているわけではない医師に、弁護士の側で、参考になる情報を提供させてもらうという姿勢に徹する(=小さく使う)。
こういった姿勢が大切であると思います。
とはいっても、残念ながら、少数ですが、治療以外については協力する意思も意欲もないという医師も一部にはいます。
また、近年、医師の専門性が進み、専門分野と専門外では大きな知識の差があるのが普通です。
専門性の高い医師に診ていただく必要も出てきます。
そういった場合には、依頼者と十分に話し合い、納得してもらったうえで、転院も考えなければなりません。
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