こうした経験を経て、加害者の言い分が正しいかどうかを検証するためには、そして、被害者の声なき声を救い上げるためには、物理の知識が必要であることを痛感しました。
初歩的な物理の知識を使うことで、いろいろなことが分かる場合があります。
例えば、自動車がバイクの側面に衝突してバイクとライダーを跳ね飛ばしたとします。
バイクにぶつかる前に、自動車は急ブレーキをかけ、路上にブレーキ痕を残しながら停止します。
自動車が路上に残したブレーキ痕の長さから、衝突時の自動車の速度が分かることがあります。
また、バイクのライダーが跳ね飛ばされた距離からも、自動車の速度が分かることがあります。
衝突されたライダーの頭部が車のフロントガラスに当たるまでの軌道を見れば、自動車とバイクの速度比が分かることがあります。
バイクの速度が小さかったことが分かれば、交差点進入位置でバイクが減速や一時停止をしていたと推定できることがあります。
物理の知識を使うことで、こうした様々なことが分かる場合があるのです。
もちろんそういった知識も万能ではありません。
例えば、同一車線上で車両が追突されたり、正面衝突したようなケースについては比較的物理の知識が有効であっても、斜めから衝突され、それぞれの車両がくるくると回転をし、二次衝突、三次衝突しながら停車するといった複雑な場合には、衝突から停止までの双方の車両の挙動を推定するのは極めて困難です。
また、正確なことは専門家に鑑定を依頼しなければ分からないでしょう。
しかし、初歩的な物理の力を使って、弁護士でも大まかな目安をつけられることもあるはずです。
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